プーチン、バイデン、相互に尊重と猜疑の会談

【この記事は2021年6月のものです】

山辺美嗣です。

ジュネーブの米ロ首脳会談二人の大統領は何を討論したのでしょうか。

スイス ジュネーブ 大噴水

緊張緩和に成果あり

両首脳は個別に記者会見していますが、共通して「建設的な議論、具体的な事項の議論」があったことを成果として挙げています。また、プーチンは「超えてはならないレッドラインを互いに認識している」と述べているように、冷戦の復活にならないよう配慮していることを語りました。

プーチンは記者会見で、「モスクワとワシントンに両国の大使が復帰することとなった。一旦終了した核兵器削減条約の次の条約を締結する交渉をすることになる」と成果を強調しているように、緊張緩和が最大のテーマであったことを示しています。

サイバー攻撃問題について相互に猜疑心

バイデンは、選挙介入やインフラへのサイバー攻撃に「ロシア語を話すマフィアがロシア国内から」関与しているという「疑い」を確信していますが、プーチンは記者会見で次のように述べました。

「アメリカ、カナダ、イギリス、その他南米の2か国のサイバー空間で事件が起きていることは承知しているが、ロシアのサイバー空間で事件は起きていない。ロシアにかかわりのない事件であり、疑いはアメリカ側にある」

真実が何処にあるかわかりませんが、両者ともに強い猜疑心を抱いていると感じられます。

本来、こうした国際サイバー犯罪やマネーロンダリングは、インターポール(リヨンにある国際刑事警察機構)のテリトリーであり、彼らが犯罪の解明と取り締まりを進めるものと期待しています。

速報から読み取っていますので、十分なことが書けませんが、3時間に及ぶ首脳会談の中身がもう少し詳細になりましたら、次の機会に取り上げてみたいと思います。