シベリアに築いた抑留者の遺産~その3~

テルマ村は、ウルガル線の建設基地として1930年代後半から村が作られました。鉄道建設はドイツとの東部戦線に多くの男たちが取られ、中断したり、線路が資材として剥がされたりして遅々とした進捗だったそうです。

本格的にウルガル線の建設が着手されたのは、戦後日本人抑留者が収容されてからのことです。村は碁盤の目に道路が通り、二階建ての集合住宅が数十棟も軒を並べています。この木造住宅は日本人抑留者が建てたのだと前の村長さんが言っていました。

ロシア人監督者(兵士)、ロシア人政治犯のための宿舎だったようです。日本人抑留者は鉄道計画線に沿った林の中のバラックの収容所に送られ、森林伐採と線路建設、そして村の住宅建設と水道工事などのきつい労働を強いられました。

3万人以上の日本人の内2000人以上が死亡したこの地に、私の父も4年余にわたって収容され、それでも生き抜いて帰ることができました。

2019年8月の訪問時に、この住宅の室内を見学させていただきました。古くはなっているが頑丈で機密性に富み、風が通って涼しいと感じました。

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MiraiProject 山辺美嗣(やまべみつぐ)

政治・行政プロジェクトのコンサルタント

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通産官僚・国連職員を経て、地方議員歴24年
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